2023/02/16 13:00
こんにちは、蔵前天文堂です。
以前のブログで御朱印帳には3つのこだわりがあるとお伝えしましたが、今回は2つ目のこだわり「じゃばら折り」についてのお話です。皆さんも学生の頃、体育祭や文化祭の飾りつけで画用紙をじゃばら折りにして花を作ったことがあるかもしれません。
私たちのじゃばら折りにはポイントが2つあります。
POINT 1)伝統的で高い技術がいる製法!
POINT 2)貼り合わせてるから頑丈・墨の裏抜けも防止!
まずはPOINT1から。
一般的なじゃばら折りは、1枚の紙の端から山折と谷折を均等な幅で折っていくものです。その姿が蛇のお腹に見えることから「じゃばら=蛇腹」と呼ばれます。
私たちのじゃばら折りは、ひと味違う!その名も「伝統 じゃばら合掌製本」というのですが、2つ折りした26枚の和紙を手作業でつなぎ合わせます。お祈りの合掌のポーズような貼り方になります。便宜上、じゃばら折りと言っていますが、厳密に言うと折っていないので「じゃばら貼り」なんですね。
この貼り方は昔ながらの製法で、のりの量や粘度・スピード感など職人の高い技術が必須。ですので、一般的には機械を使用して1枚の紙を折るものが大半です。
のりと刷毛を使ってつなぎ合わせた後は、小口(こぐち:製本用語で本の断面のこと)が真っ直ぐ揃うように鉄板の上でトントントンと、これまた手作業で揃えます。美しい小口にすることは、手帳製本をしている私たちにとって基本中の基本。長年培われた技術を活かしています。
そしてPOINT2。
和紙を重ねて貼ることで強度が上がり、墨の裏抜け防止になります。これも貼り合わせているからできることです。表を使い終わったら裏に書いてもらうこともできちゃいますよ♪
さて、ここで疑問に思われるかもしれません。「紙を貼り合わせたものを機械で折れば良いのでは?」と。しっかりさせるために厚い紙にしようとしても機械に入る紙の厚さが決まっており、機械では折れない場合が多いのです。また、厚みのある紙を折ろうとするとズレが生じてしまい美しくありません。
このような理由もあり、手作業でのじゃばら貼り(じゃばら折り)に行き着きました。
もちろん、弊社は製本会社として、日々の製造で機械を導入しています。ですが、蔵前天文堂の商品では効率や大量生産に重きを置かず、
「ここは手作業の方が美しいものができそうだな」「この部分は機械の方が向いているな」と適材適所を考えて製作しています。昔ながらの製法や伝統を皆さんに知ってもらうこと、職人の技術を活かすことなどを大切にしたいと思っています。
これからも試行錯誤しながら、美しいものづくりに挑戦します!
こだわりその1:本文用紙「墨麗」についてのブログ
https://tenmondo.base.shop/blog/2022/07/04/100000